ownCloud と iPad・iPhone等(WebDAVクライアント) との連携
フリーで使えるオープンソースソフトウェアの ownCloud 。
無料で利用できるオンラインストレージサービスも、Googleドライブ など様々ありますが、手軽に使える反面、アクセス状況やセキュリティなど、自ら確認したり 対策を行ったりすることができません。
VPSサービスなどで、インターネットにつながっているサーバを持っていれば、そこにこの ownCloud をインストールすることで、そのサーバスペースを「汎用的なストレージ」として利用することが可能となります。
iPhone/iPad や Android などの外部ストレージとしても手軽に利用できますので、その手順をここでは記載しています。
ownCloud のインストール
詳細は、公式ページでご確認ください。
手順の概要は以下の通りです。 Ver 6.0.3 で実施しています。
リポジトリを引っ張ってきて、yum で 一撃です。
wget http://download.opensuse.org/repositories/isv:ownCloud:community/CentOS_CentOS-6/isv:ownCloud:community.repo
yum install owncloud
LAMP環境ができあがっていることを前提としていますが、ownCloud のインストールはこれだけです。
http://ドメイン/owncloud/ でアクセスすることが可能です。
ssl による通信経路の暗号化
上記のように「インストールしただけの状態」の場合、http でのアクセスですので通信経路においては暗号化されておらず、安全な通信ができません。 そこで通信経路において暗号化を行う「https」で通信するように、更に追加の設定を実施します。
以下の手順で、「サーバーキー」と「証明書」を作成して Apache に登録し、https でアクセスできるよう設定を行います。
まず、サーバキーと証明書を作成します。作成には、opennssl を利用します。 heartBleed (CVE-2014-0160) の脆弱性にご注意ください。必ず、対処が行われているバージョンの oppenssl を利用してください。
# openssl req -new -key server.key > server.csr
# openssl x509 -days 365 -req -signkey server.key < server.csr > server.crt
次に、作成した server.crt と server.key を、適当なディレクトリに配置し、以下のように Apache の ssl.conf に記述します。
SSLCertificateFile /etc/httpd/conf/ssl.crt/server.crt
SSLCertificateKeyFile /etc/httpd/conf/ssl.key/server.key
設定ファイルの配置が完了したら、Apache を再起動して準備は完了です。
これで、https://ドメイン/owncloud/ でアクセスすることが可能です。
証明書については、認証局が公式のものでは無く、いわゆる「オレオレ証明書」のため アクセス時に警告が出ますが、通信経路は暗号化されています。
ownCloud の設定
ownCloud に関する設定については、この辺りが詳しいです。
データベースの設定や、アカウントの設定を行えば完了です。
iPad・iPhone等(WebDAVクライアント)での設定
上記までの設定で、サーバ側では WebDAVクライアントからのアクセスを受けることができる状態になっていますので、あとは、WebDAVクライアントの設定です。
ここでは、iPad で利用できる「Documents」というアプリでの設定について記載します。
Documents をインストールした後、「ネットワーク > アカウントを追加」と進み、「WebDAVサーバ」を選択します。 設定内容は以下の通りです。
・URL: https://ドメイン/owncloud/remote.php/webdav と指定します。
・ログイン: 上記で作成したログイン ID です。
・パスワード: 上記で作成した ID の パスワードです。
これで、ownCloud に接続できます。
私の場合、ownCloud は、GMOクラウドの VPS を利用しています。
月々 1,008円 で、100GB の disk容量がある VPS が使えますので、Web公開のスペースを差し引いても、十分にオンラインストレージ領域として 割り当てることができています。
お手軽&リーズナブルでもありますので、この VPSサービスは、オンラインストレージ用途でも、十分に活用可能だと思います。